4団体統一

番狂わせは起こらず井上尚弥選手がアジア人初、日本人初、バンタム級初の4団体統一をやってのけた。
しかも4人全てのチャンピオンから1つずつベルトを獲っての統一も初。4つの団体全てのベルトをKOで取ったのも初。

たった一晩でこれだけの偉業を一気に成し遂げた。自分が生きている間にまさかこんな事が起こるとは。

相手のポール・バトラー選手はずっと逃げ腰だったと非難されているらしいけれど、正直思っていたよりも良いチャンピオンに見えた。ガードが高く、脚も止まらず、パンチはコンパクトでキレがあった。コンビネーションも早く鋭い。

相手に攻めさせて隙を狙ってのカウンターやコンビネーションを狙っていくレベルの高いボクシングだったと思う。
ただ、相手が悪すぎた。

まず破壊力抜群のパンチで脅威を植え付けて迂闊に手を出せなくさせた。それでも数少ない隙をついてカウンターを打っても井上選手の早い反応で避けられる。結果として出来ることがガードを固めて逃げる事だけになってしまった感じだ。

バトラー選手は手を出せないので、井上選手はノーガードにしてみたり、サウスポーにスイッチしたり、ついにはアリシャッフルとよばれるモハメド・アリのステップや両手を後ろに回して顔を突き出すパフォーマンスまで見せた。それでもバトラー選手は手を出さない。

ラウンドばかりが過ぎてこのまま判定かと思った11ラウンドにようやく井上選手のボディーのベストショットが入りそのままパンチをまとめて勝負は決した。こういう難しい試合でしっかりKOまで持っていけるのがスーパースターの由縁だと思う。

昨日のバトラー選手が逃げ回るしかなかったように、すでにバンタム級には相手がいない。強豪ひしめく上の階級であるスーパーバンタム級でもその強さを発揮できるのか。
快進撃は続いていく。