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立つ

学校に入ると列になって「気を付け!」をすることが多くなる。幼稚園、保育園であるのかは分からない。

この立ち方が染みついて、しかも良い立ち方であるかのように錯覚してしまう。

そもそも立つことは不安定な2足でバランスを取ることで成立する難しい行為だ。幼児が立つ時にフラフラ立つように本来は最低限の筋力でバランスを取る高度な脳の処理で行われるものだ。

それが「気を付け!」の号令と共に条件反射のように身体を緊張させて筋力重視の立ち方にさせられる。これが染みつくので教室での「起立!」の時もビーンと力が入った立ち方になる。それが繰り返される。

映画やドラマで観る軍隊や警察のキビキビした動きのイメージもあるのかもしれない。


武術の世界では「膝抜き」という言葉や「浮き身」という言葉があるけれど、これは膝の力は抜いて赤ん坊のようなフラフラ、フワフワした立ち方を心掛けるという事だと思う。緊張は居着きを生んで切られてしまう。

我慢してピシッとした姿勢で立ったり座ったりするのは決して良い事とは言えない。

緊張なく立つことを目指す方が高度な事なんだと再認識すべきだと思う。