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武蔵

久々に読んだ宮本武蔵の五輪の書の解説本。

五輪の書は学生時代に読んだ事があるが、なんのこっちゃよく分からなかった。武術研究家の方や武道家の方などが解説する本がたまに出版されている。

大まかに言うと身体を水のように自由自在にすることを説いている。特定の型や対処よりも身も心も柔らかく自由にしておけば天理に従って身体は正しく反応して最善の動きをする。

武蔵は少年の頃にこの天理にかなり近い状態を体験して以降その境地を目指し続ける。そこから28歳まで立ち会う事60回余り。その最後の決闘は有名な佐々木小次郎との巌流島での戦い。結局最後の戦いも勝利するものの立ち会うほどに天理から離れていくことに気が付き立ち合いはそこで辞める事になる。
そして60歳を過ぎてようやく天理に到達し五輪の書を記す。

身体を水のように、というところはブルース・リーも「私は水になりたい。」と語っている。哲学者でもあったブルースなのでおそらく五輪の書も参考にしてジークンドーを作り上げているだろうと思う。

天理に従えるような身体の構造を持つ事と正しく素直に動く事は万能である。
天理から遠く離れてしまった我々にはなかなか辿り着けない境地だ。