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ライオン

テレビでライオンのメスが歩いているのを観た。
肩甲骨が立って液体のような筋肉の中で動いている。

股関節は骨盤に嵌っているのでそこまで自由自在ではないけれど、肩に関しては肩関節には嵌っているけれど、その嵌っている肩甲骨自体は固定されていないのでより自由に動ける。云わば筋肉という水袋の中に浮かんでいるのが肩甲骨というユニットだ。

ライオンはこの構造を効率よく使っているのがよく分かる。足の着地の時には肩甲骨が上に伸びて衝撃を吸収して周りの筋肉が伸びきったところで収縮させると逆に強く地面を蹴ることが出来る。衝撃吸収によって気配も消せるし身体の内部で伸びて反発力が出る。

構造としてはほぼ同じなので人間だってそれだけの使い方が本来は出来るはずなのに、凝っているとか固まっているとか張り付いているとかで肩甲骨は水袋に浮かんでいるようにはとても使えない。機能が死んで多くの人たちにとって逆に問題になっている(コリとか痛みとか)。

日常の中で使わないので皆使えなくなるのだけど、ここに大きな伸びしろが眠っていて目覚めればそれはそれは快適になる宝の山とも言える。