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感じる

物の重さを手で量る時は前腕や手に最低限の力しか入っていない。それは手をかためていると重さが感じられないからだ。

ただそれ以外の時にはほとんど無自覚に物を扱う。なので量る時ほどは手は緩んでいない。

赤ん坊から少年くらいまでは経験値が少ないから未知の物に触れたり持ったりすることが多い。だからまず対象を感じるために緩んだ手で触る。

段々と経験値が増えると触ったことがない物が減るので感じるモードで物を扱うことが減る。持ったことがない物でも見た目で予測が働くので青年期くらいにはもうそんなに感じるモードで物に触れる必要がなくなる。こういうことから身体がかたまっていく入り口に入っていくのかもしれない。

服の質感を感じればその部分が感じるモードに入って少し緩むだろうし、足の裏の感覚を感じにいけば足裏も少し緩むだろう。買い物袋を重さを感じながら持てば必要最低限の力で持てるだろう。

持つもの、触れるもの、着るもの、履くもの。

これらを感じる事で今より少し楽になる。