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江戸4

「家康、江戸を建てる」の第4話。
「石垣を積む」。

家康が江戸城を天下一の名城にするにあたって、広大な範囲で内濠と外濠を掘ることになる。するとその両側に石垣を築かなければならない。

あまり石垣の事を考えたことがなかったけれど、濠を合わせた総全長はなんと20㎞にもなるそうで、その両側に良質で、しかも巨石を積み上げなければならない。その為に必要な巨石の数、およそ10万個。

良質な石場は伊豆から運ぶことになり各大名が伊豆の山を切らせては船で江戸に運ぶ。石を切るのに「みえすき」という技術があって、石の中のラインを読んでその筋に杭を打てば最小の手数で石が割れる。省エネでしかも石もほとんどキズつけないため重要な技術である。

この「みえすき」の名人が取りつくされた伊豆の東側の石場を放棄して船で運びづらい西側に最良の石場を見付け、仲間1人を犠牲にして天下一の巨石を切り出す。結局、この石は伊豆の港で2つに切られて鏡石という霊的な意味がある石として大手門に使われた。これは石としては最も格が高いわけだが、「みえすき」名人は一番の仲間を失ってまで切り出した巨石が2つに切られたということが無念でたまらなかったそうだ。

ピラミッドはもっと昔で石の加工、運搬も大変だったろうけれど、江戸の石垣も考えてみるととんでもない人数、費用、船、技術が要る。本当に奇跡的に実現させた都市が江戸だったのだろうと思う。