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江戸3

「家康、江戸を建てる」の第3話は「飲み水を引く」。

江戸に街を築くにあたり、治水によって水害を減らす事と共に重要だったのが飲み水がないことだった。湿地帯なので川はあったもののとても飲めないような水だった。

そこで玉川上水から水を引いてきてとりあえず内堀の中に関しては水は行き渡るようになった。しかし、江戸が幕府を開くとなると人口は急増してまたしても飲み水が足りない。そうなるとここで発展が止まってしまうことになる。

そんな折に家康が三鷹に鷹狩に出掛けた時に土の質から湧水が出ているだろうことに気が付いて地元の人に案内させたところコンコンと湧き出る大規模な湧水を発見する。そしてこの湧水を江戸に引くように指示を出す。ちなみにこの湧水が今でいうところの井の頭だ。

水路を伸ばしながらジワジワ江戸に近づいたところで問題が発覚する。江戸城は内堀と外堀で囲まれているので中心を目指して水路を伸ばしていくと堀の水と合流してしまう。
この問題を解決するために木の枠を堀の上に組んで堀の上に上水を通す。これが日本初の水路の立体交差になる。そして、その部分が今では水道橋と呼ばれている。

その他、水は低い所に流れていくので水路の末端に行くほど深く水路を掘らないとならなかったのを枡というシステムで解決する。枡というのは交差点などで水路の行き止まりを作ってそこから真上に管が続く、すると水は水位を上げて上の方にある横穴にまた進んでいく。この枡を要所要所に配置して水路が深くなり過ぎるのを回避している。

また水量が多くなった時に地下の水圧が上がって地上に水柱が吹き上がる問題があったが、これも洗堰という水量調整システムを作って解決することとなる。ちなみに西洋ではこの水圧で水が吹き上がる事を逆に利用して噴水の文化が出来た。

飲み水を引くこと由来の地名が結構残っているのも面白いし、家康の無理難題に知恵と根気で挑んだ部下たちのプロジェクトエックスみたいな感じで面白い。