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江戸2

「家康、江戸を建てる」の第2話。
「金貨を延べる」

豊臣秀吉により一大湿地帯である江戸に領土を移された家康が如何にして世界都市江戸を築いたのか。今回は小判の話。

当時は豊臣の世であり、秀吉は天正大判という金貨を鋳造していた。しかし、天正大判は10両の価値があるはずだったが金の比率が低く実際は10両の価値がない。結局は貨幣として使うには秤で測って価値にあった貨幣に交換しなければならなかった。

家康は金の比率を85%に統一して1両の小判を作る。10両では額が大きすぎて使い道がなかったが1両であれば流通しやすい額だった。加えて偽造防止の仕掛けを施し、同じ形、同じ価値の金貨を作る。これが関ヶ原の合戦の翌年に鋳造された慶長小判だった。

この慶長小判の登場でこれまで秤と分銅を用いた秤量貨幣制度だった世の中が貨幣の枚数を数えるだけで済む計数貨幣制度の変わり徳川幕府が貨幣の上でも天下統一を果たす事になった。