分散

身体の緩んでいるところは、いざ動こうとした時に最大限使える。緊張しているところは初めからある程度筋肉の収縮が起きているのでその分は使えない。つまり体中が緩んでいる時には、次の動作に対して最大限のスタンバイ状態ということになる。

僕らは子供の頃から部活だったり、漫画だったりで部分を鍛えて強くするという発想を覚えた。なのでその鍛えた部分を主にしてある動作をしようとしてしまう。

腹筋ばかりしていると何事にも腹筋に力を入れてやろうとしてしまうし、ベンチプレスばかりしていると胸の筋肉を使うのに慣れているからそこを使ってしまう。だから部分の疲れを感じてやった感を感じる。

ただこうして使う癖がついたところには緊張だったりコリだったりが残って、最大限に使えない箇所になる。それなのに使う癖がついているからこの疲れやすくなったところにばかり負担がかかる。

子供の時に立つ時、物に手を伸ばす時、走る時にどこか部分を意識してやっていただろうか?
あの頃に部分に対して疲れを感じただろうか?

あの頃はきっとすべてがスタンバイ状態で緩んだ身体が自由に動いて疲れる時は存在の全体が疲れてグーグー寝ていたと思う。やはりどこかに負担が集中しないで分散させて使えていた。それは他の動物と同じで自然に効率よく感じるやり方で遊んでいたらそうなっていた、ということだ。

なので大人になった我々も部分にこだわらず全部を柔らかく柔らかくということを目指して行くべきだろう。
僕の今の感覚では無意識に固める腹筋が腰や骨盤、尻、脚に対して同じく固める影響を与えていると感じる。だからまず肚を緩めることからかなぁ、と思っている。